とらドラ!9巻

 独身(30)。別に仔細無し。胸すわって進むなり。
 独身(30)こと恋ケ窪ゆり、なのか、恋ケ窪ゆりこと独身(30)なのかはもはやどうでもいい。今回のゆり先生は一味違う!大河に舌打ちされただけで落ち込んでいたあの頃とは別人だ。ダテに裏表紙を飾っていない。でもゆり先生、英語の先生じゃなかった?


 話が一気に進んだ感のある9巻。とりあえずみのりん方面は片付いたみたいです。あーみん方面はまだ先ね。大河は今巻のラストでも炸裂したけど、9巻はもっぱら竜児。ちょっとグダグダ感はあるものの、今まで出てこなかった感情・思考が展開されて興味深い。なんか身に詰まらされる・・・。
 ラストは「進路調査票を紙飛行機にして暗い空に飛ばす」という作中にあったイメージそのものという感じです。


 それにしてもまさかやっちゃんが崩れるとは予想しなかった。個人的に、今はほのぼのした感じだけど昔は結構苦労していたこの人は、物語の中では"あがった人"で、間違えることのないキャラだと思っていました。
 この場面に行くまでにやっちゃんエピソードがもう少し欲しかったという感想を見かけたけれど、それ自体はたぶん1巻の超能力設定の場面からあったんだと思う。あの場面は、高須家のエピソードだったんですね。3回使えるというワープ能力の最後の1回分を「竜ちゃんにあげるね!やっちゃんはもう、自分のために使いたいことなんかないんだから」「なにか危ないことがあったら、絶対に力を使って無事にやっちゃんのところに帰ってきてね。」というのは、何となく9巻のラストあたりにつながる感触はあります。まあ人の親として当然といえば当然な感情な訳で、9巻でのやっちゃんの希望をエゴイズムと言い切るいうのはちょっと酷じゃない?(というか、希望自体がエゴがなければ生まれないとも言えるし。やっちゃんもおバカさんだとおもうけど)。そういう風にしか生きて来れなかったやっちゃんを否定して竜児と大河は逃げていったわけだけど、否定した先にあるのは何なのだろう。竜児がやっちゃんを正しくないという思考の流れはだいたい分かるのだけど、正しくないからといって否定されるものでもないと思うし、エゴだのなんだの言ってること自体に青春っぽさを感じるので、次巻はその辺りを乗り越えるのかなぁ、という予想。


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