ハヤテのごとく!第203話 「不幸と不運は違う」

 ギャンブルは胴元の方が儲かるというのは言われるまでもないことだけど、ナギが言うと三千院家もカジノの一つくらい経営してるんじゃないかと思ってしまう。経営者はもちろんマリアさん、というのはお約束。


 ワタサキは興味ないのでスルー。ただワタルについて少し思うところはありました。
・「賭け事の好きな奴が集まる街なんじゃない?」
 初読時はなんか?なセリフでしたが、どうやらこれは母親のことを想定して言っているようです。そう考えるとこのセリフはなかなか深いのかなと。ワタルは母親のことについてその程度のこと(賭け事が好き)しか知らない、というか知ろうともしないんだろうなぁと。実質的に自分を捨てた親のことをあれこれ考えても仕方ない、と思っているように感じます。でもこのセリフを言うときの無表情さからは母親に対して無関心であるというより、そういう風に装っているように見えます。色々考えたり知ったりすれば傷つくからとか。


・下田
 何で下田に行くんでしょうね?あれって紫子さんの命日に行くんでしょう。そうすると娘のナギ、友達だった初穂さんとその娘の伊澄はわかる。咲夜はまあ生前から紫子さんを知っているし性格などからしてもナギと一緒に行こうとするのもわかる。でもワタルはよくわからない。
 ナギの許嫁とはいえ当人間では名ばかりのものだからそれが理由とも思えない。個人的に行きたいと思う気持ちがあるとしたら、紫子さんにお世話になるようなことがあったのかなと。アニメ版ではそれらしき場面がありましたね。


 ワタルはこれくらいにしてナギナギ。
・50万ぽっち
 相変わらずのお金持ちの金銭感覚とはいえ、案外アルバイトで身につけたものが生きているのかもしれないと思ったところ。以前のナギなら50万円が大きい金額なのか小さい金額なのかすら感覚的になかった気がする。世間の相場とずれているとはいえ小さいと言い切るあたりに変わったという感じがするんですね。


 で、タイトルの件。ハヤテはギャンブルをしない方がいいと言っていたあたりについて。
 サンデー本誌のキャラ紹介でハヤテは「不幸」と毎回書かれていますが、私の感覚ではハヤテはたいてい「不運」ではあっても「不幸」ではない。このマンガではこの2つの言葉を使い分けていないのかなぁと思います。
 以下私の感覚だけですが、「不運」っていうのは当たり外れのうち外れを引くようなもので、まさに「運」が悪かったということです。「不幸」っていうのは、もっとこう、人生に打ちひしがれてしてしまうようなことです。だから例えばヒナギクさんが乗っている飛行機が墜落して死んでしまったとしても、彼女は「不運」だったのであって「不幸」ではない。紫子さんを亡くしてマリアさんに出会うまでの孤独なナギは「不幸」だと思う。
 確かにハヤテに「不幸」な面はあったと思いますが、ナギの執事になってからはほとんどないと思います。まあ「不運」から「不幸」になってしまうことは往々にしてありそうですが。