ハヤテのごとく!178話と2巻6話のつながり

ハヤテのごとく!第178話はいろんなところで1巻1話との関連が指摘されているけど、私は2巻6話がずっと気になっている。4日の感想本編でも触れたし、くるくるばたばた:反復探し。のコメントにも書いたんだけど、この点についてもう少し書いてみたい。


なんで2巻6話(黄金の羽のなくし方)が気になってたかというと、この話で出てくる小学校時代のハヤテがあまりにも両親との仲が良さそうに描かれていたので、私は「ハヤテの両親は確かに酷いけど、ハヤテが小さかった時には客観的には酷くても、ハヤテの主観的にはいい親だったんじゃないか。単純に悪い人たちとは言えないんじゃないか」と思っていたから。178話で見事にその見方は粉砕された。


しかし2巻6話は178話を読んだ後だと実に不思議。178話ではハヤテが幼稚園時代に両親(父親しか出てないが)に絶望したことが描かれている。2巻6話で出てたのは小学校1年生の頃の思い出だから、この間にハヤテと両親が和解したというのはわかるけど、「和解」という言葉ではしっくりこない。どちらかというとハヤテは178話であったことを忘れてしまったような印象だ。妄想すると、ハヤテはアーたんと別れた後、積極的にアーたんの事を忘れようとして、アーたんと出会った時の記憶を忘れる過程でその直前にあった出来事(両親への絶望)も忘れてしまったんじゃないかな。なんで忘れようとしたかというとアーたんとの思い出が非常に苦しいものになってしまったから。それが178話1ページ2コマ目に出てきた「罪」に関連することかと。


さらに妄想を進めると、その「罪」っていうのはアーたんが死んじゃったか、それに近いくらいのことが起こって、ハヤテはそのことに関わっていたか、助けられる状況だったのに助けなかった。


で、アーたんがいなくなってボー然としているハヤテを両親が見つけて、「給食費の件はウソだったんだ」とか何とか言ってハヤテを連れ戻す。傷ついていたハヤテは安心できるところを求めて、心身共に両親の元に戻る。「やっぱり父さんは悪い人なんかじゃないんだ。あれはウソだったんだ。だからアーたんの事も本当の事じゃなかったんだ。」てな具合で、178話はハヤテの中でなかったことになる。


妄想をやめると、これだとアーたんとハヤテが別れた理由が説明できない。でも私の中では「罪」っていう言葉はそれくらい重い意味を持ってるみたいなんです。しっぽきりでいわれていることとも、(部分的には)辻褄はあうと思うし、アーたんの事を積極的に忘れていた、というのはアーたん考察でも出てくる。


書いてる自分でも疑いつつ2巻6話が気になるのはタイトルの「黄金の羽のなくし方」というのが178話を彩る黄金のイメージとつながるからでもある(「黄金の夢」って言葉も出てくるし)。作者は178話の内容を意識して2巻6話を書いたんじゃないかと想像する。そうすると178話と2巻6話がスムーズにつながる流れがあるはずだと思うんですけどねぇ。