崖の上のポニョ 見てきました

 会社の先輩と話してたら何となく、ポニョ見てこい、という話になったので8月9日(土)に見に行きました。たまたま『プロフェッショナル 仕事の流儀 スペシャル 宮崎駿のすべて』と「たけくまメモ」の1回目のポニョ感想をちらっと見ていたので、今までの宮崎アニメとは違うかもしれないというのをわかった上で見ました。


たけくまメモ」の8月9日までのポニョ関連記事
宮崎駿のアヴァンギャルドな悪夢
ポニョ2回目
パンダとポニョ(1)


 感想は・・・。これは難しいなぁ。嫌いじゃないんですよ。むしろ「もののけ姫」以降の宮崎アニメはあんまり好きじゃない(面白いとは思うけど)。「もののけ姫」は説教臭いので嫌いです。アニメにまで説教されたくないです。大人向けアニメとか言われてるけど、エンターテイメントっぽくない。


 出せば当たるジブリ映画って何が良いアニメなのかわからないと思うのです。ポニョだってもののけ的な作風にすれば、商業的にも確実に当たっただろうし、ジブリファンも納得したでしょう。でも宮崎駿はそうしなかった。やっぱりこの人は芸術家なんだなぁ。「プロフェッショナル 仕事の流儀」の宮崎さんを見ていて、容姿がかっこいいなぁ、と思ったけど今考えるとこのおっさん(じいちゃん)変態っぽいなぁと思える。


 面白かったかと言われると微妙。大人が絵本を読んだときの感想に近いかもしれない。純粋に楽しかったとはいえない。でも否定できない作品。さっきも書いたようにもののけとか嫌いとか言う人だから、それ系のだったらわざわざ感想も書かなかったでしょう。どちらかというとたけくまメモとか、そこにトラックバック送ってる人みたいな評論家的な見方で面白い。やはり映像はいいです。波の上を走るとことか。
 yahoo!の映画レビューを見ていると賛否あるけど、そもそも面白い映画って何なのかな。単に自分の好みに合っていたから面白い、合わないから面白くない、ではなく。期待通りの面白さって、そればかりだと面白くないと思うのですよ。ポニョは良い意味で期待を裏切っていると思います。自分の理解の枠の中に収めようとしてはいけない。そういうのを楽しめる人には薦められる、というかそういう人だけにしか薦められない作品。それって商業映画じゃない(笑)。私はなにかよくわからないものが結構好きなのです。


 見ていて気になるところはいっぱいあります。なんといっても回収されない伏線の多い事。それに難癖を付ける人もいるし、まあそれはそうなんだろうけど、わたしはそれはそれでいいと思う。投げっぱなしってすばらしいと思うんですよ。さすが巨匠。
 時間が足りなかったのかな。作品を創るための世界観を全部説明しようとすると2時間程度じゃ全然足りなかったとか。でもすべてそうという訳でもなさそうでもある。わざとっぽい。さすが巨匠。好きです。
 個人的には瓶を割ってポニョを助けるのって結構危険なんじゃないかなぁ(ソウスケが指を切った事ではなく、中に入ってるポニョへの衝撃は大丈夫なんだろうかという事)とか、家の窓閉めないとたこが入ってきてるぜー、とかそんな(確実にどうでもいいこと)事も気になった。気になる事を挙げていったら本当にきりがなくなるのでやめます。寓話的でまったく非現実的なところがあるので細かいところは無視しないといけません。冒頭から海水魚を水道水の中に入れても平気なんですから。


 そういえばタイトルの「崖の上の」っていうのもよくわかりません。なんとなーくわかるかなぁ。でもなぜこのタイトルなのかはっきりわからない。なんか適当っぽい。